馬場状態
Published on Feb 28, 2025
馬場状態は、地面がどれだけ水分を含んでいるかによって分類されます。馬場状態はレース中の馬のパフォーマンスに大きく影響し、調教師や騎手がレースの準備をする際に重要な要素として考慮されます。最も一般的な馬場状態は、稍重(SOFT)と不良(HEAVY)で、いずれも湿っていて滑りやすい馬場を指します。
稍重馬場(SOFT Track Condition)
稍重馬場とは、ある程度の水分を含んでいるものの、極端にぬかるんではいない状態のことです。地面が柔らかく、馬の足が少し沈み込みやすいため、良馬場と比べてスピードが落ちることがあります。このような馬場を得意とする馬は、スタミナがあり、柔らかい地面でクッションが効く方が走りやすいと感じる傾向があります。そのため、ケガのリスクも軽減されます。
場合によっては、SOFTのあとに数字が付くことで、湿り具合をより具体的に表すことがあります(例:SOFT 5やSOFT 6)。数字が大きいほど、地面がより柔らかいことを示します。
不良馬場(HEAVY Track Condition)
不良馬場は、稍重よりもさらに水分を多く含み、表面に水たまりやぬかるみが見られる状態です。このような馬場では、馬が動きづらくなり、スピードが落ちるため、走行が困難になります。体ががっしりしていてスタミナのある馬は、HEAVY馬場でも好成績を出しやすいです。
この馬場状態も数字で重さの程度を示すことがあり、例としてHEAVY 8やHEAVY 10などがあります。数字が大きいほど、より重くぬかるんだ状態を意味します。
馬場状態の数字とその影響
SOFT 1~3:最も柔らかく、深く湿った馬場。スタミナに優れた馬が有利です。SOFT 4~5:適度に柔らかく、小雨の後などに見られる状態。多少の沈みはあるが、走行に大きな支障はない。
SOFT 6~7:さらに湿り気が増し、走行スピードが落ちやすくなります。適応力のある馬が有利です。
HEAVY 8~10:豪雨の後などに見られる非常に湿った馬場。馬が沈みがちで、走行抵抗が大きいためレース展開が遅くなりやすいです。泥濘に強い馬が活躍します。
馬場状態が馬のパフォーマンスに与える影響
馬場状態は、レースでの馬の動きに大きな影響を与えます。稍重や不良馬場では抵抗が大きくなり、馬のスピードやスタミナが求められます。これらの馬場を得意とする馬は、歩幅が広く、持久力があり、地面へのグリップ力も強い傾向があります。逆に、良や堅といった速い馬場では、こういった馬が力を発揮しにくいこともあります。調教師や騎手は、馬場状態に応じて戦略を調整します:
– 稍重や不良では、騎手は馬のスタミナを温存しながら、消耗しすぎないように注意して騎乗します。
– 良や堅の馬場では、スピードとポジション取りを重視した戦略をとる傾向があります。